除夜の鐘とともに過去を反省、スイス本国の修理代を甘くみてました
スイスブランド腕時計の修理代金を見誤ったばかりにお客様を失望させてしまった失敗談のお話です。
スイス本国のブランドから提示された金額をそのまま伝えたところ、「馬鹿げている」「誰が納得しますか」と怒られてしまいました。
確かに日本の修理では通常でてこない金額です。
自分たちで修理見積もりするのと違って予想しにくいのもありましたが、まさかこれほどだとは。
事前にある程度分かっていればよかったものの、知識のアップデートが足りずご迷惑をおかけしてしまいました。
スイスの時計修理事情をはじめ、今の日本と世界のことを考えた結果「スイス送り対応」は2度としないことに決めました。
2021年12月30日は(株)福田時計店の営業最終日。
もし興味があれば、除夜の鐘とともにお聞き流してください。
スイス送りがなぜ必要か、修理費用の事情も
(株)福田時計店では、腕時計修理を承っております。
故障していて必要な部品があれば直したり、あるいは部品交換で対応します。
ところが、古い腕時計だったりブランド腕時計は部品が手に入らず交換できないことがあります。
このままでは直せない。
そこで正規修理をおすすめすることができます。
当店はお客様とブランドの間を取次する役割となります。
もちろん、お客様が時計を購入されたお店やお近くの正規店へ足を運んで依頼しても大丈夫です。というか、そのほうが正直おすすめです。話が早いしお得です。
さて、アルファベットのO(オー)から始まるスイス製ブランド腕時計のお話です。
どうしても部品がない。そこで正規修理をご案内したところ、日本国内では対応できないことが判明。
ブランドの本拠地であるスイス修理になることが判明しました。
まさかの修理費30万円超え スイス送りはもうダメです
スイス送り修理は高い見積もりになるかもしれない、とあらかじめお客様にお伝えしておりました。
ある程度の基本料金は分かっていたので事前にお伝えしておりました。
ようやく修理見積もりが届いて覚悟して見ると、なんと修理費総額30万円超え。
文字盤部品がないから製作するとか裏蓋も製作して交換が必要とか色々書かれてましたが、値段のインパクトでもう吹っ飛びました。
本当にすべて必要なのかと問い合わせて、いくらか修理内容を減らしてもまだまだお高い。
以上のスイスから出された追加費用を「そのまま」お客様にお伝えしたところ、冒頭の「誰が納得しますか」というお言葉。
即キャンセル手続きに入りました。
前からスイス送りは費用が高い高いと知っているつもりでしたが、予想以上でした。
「担当者のあなた個人で考えてみても納得しますか?」とお客様に聞かれましたが、納得できないですよね。購入したときの金額以上になってるかもしれませんし。
スイス送りはもうダメ。反省しつつ、これからはもう止めようと決意しました。
高級腕時計が本当に高級になってるワケは、日本の平均年収が上がってないから?
最近インターネットで見かけて気になる内容がありました。
それは、世界各国と比べて日本の平均年収が30年間ほとんど上がってないという記事です。
アメリカやドイツなどは年収が何割も上がっている。イギリスやカナダやお隣の韓国も上がっている。それなのに日本はほぼ横ばいという内容でした。
スイスの修理でも「収入増えてる人が多いんだから修理費用も上げていいだろう」みたいな考えて決めてるかもしれません。
「イヤならやめてもいいんじゃぞ」といった感じで。ただの妄想ですが。
そういえば今、スピードマスター腕時計の新品って定価60万円以上するようです。
約20年前にスタッフが購入したスピードマスターは確か20万円ちょっとだったそうです。
機械ムーブメントが違うとか色々理由はあるでしょうが、高級腕時計が‘本当に高級’になった気がします。
厳しい状況ですが、2022年も納得していただける修理を目指して頑張ります
海外ブランド腕時計の部品代が上がっていて、腕時計修理する際に厳しくなってます。
当店はできるだけ納得していただける修理を目指して、2022年も頑張りたいと思います。
2022年は1月4日より通常営業いたします。
どうぞよろしくお願いします。
宝石・メガネ・時計の
(株)福田時計店