独特の形状によるカッコ良さと装着感で人気 タグホイヤーセルシリーズの弱点を克服するベルト修理例をご案内
1990年代に流行したタグホイヤーS/el(セル)シリーズ。
群馬県桐生市で創業60年以上の(株)福田時計店でも、タグホイヤーの修理依頼がよくあります。
その中でも特に、セルシリーズの電池交換修理や分解修理オーバーホールの依頼が多いですね。
大きすぎない程よいサイズ、カドがなく流れるような独特の形状をしたベルトが人気なのでしょうか。
さて、今回は群馬県渋川市から時計修理のために約1時間以上かけてご来店されたお客様。
セルシリーズによくある不具合「タグホイヤーベルト修理のヒミツ」のブログ記事を見てご来店されました。
以前も紹介しましたが、カッコ良いタグホイヤーセルシリーズのベルト修理です。
簡単にご説明しますと、長年の使用によりベルトコマがゆるくなって外れてしまう不具合が出てきます。ユニークな形のベルトのためか、よくある症状なのです。
そこで、職人の知恵と技術力でキレイに・確実に・交換するより経済的に修理する内容でした。
ちょうどお客様の腕時計も似たような症状が出ていたということで、車を走らせて当店までお越し頂けました。ありがとうございます。
・なぜコマがゆるむのか 修理前と修理後の比較
・職人に頼らない修理方法とデメリット
・修理にかかる日数と修理基本料金
以上について書いていきます。
オメガのベルト修理も後ほどご紹介します。
修理前の状態 ベルトピンの磨耗によりコマの固定ができない不具合
時計をお預かりしたときの様子、つまり修理前の状態がこちら。
コマの中に入っているピンが痩せてきているため、固定がうまくいかない状態。
このままでは安心して腕時計を着けられません。
コマの間にスキマが目立ちます。指でつまむと簡単に動いてしまう状態です。
フツーの時計屋さんだと、お決まり文句「メーカー修理で~」「買ったとこで~」とお断りされるパターン。
でも気持ちは分かります。だって応急処置も難しい修理だから。
職人に頼らない応急処置の方法もあるが、現在はオススメしていない理由
写真はベルトを裏側から見たときのもの。ピンの出っぱり部分の隣に叩き込んだようなくぼみ跡が見られます。
お客様のお話だと、以前に他の時計修理店でやってもらったそうです。
これは、ベルトの裏側から工具を使って叩き込んで固定させる方法です。「カシメる」と言えば分かる方もいるかと思います。
おそらく元の部分を叩いても効果が薄かったので、別の部分で挑戦してみたのでしょう。
いわゆる応急処置的な修理です。
当店でも以前にこの方法で修理したことがあります。しかし、現在はもうやってません。
理由は二つ。
1、見栄えが良くない
2、またゆるむ可能性がある
今回修理に持ち込まれたのも、理由2による「症状の再発」ですね。
もっとスマートに確実に修理する方法はないだろうか。悩んでいたところ、職人さんの力でイイ方法が見つかりました。
ベルト修理完了 効果的な溶接技術でキレイに仕上げつつ納得価格の修理を実現
修理完了。
ベルトをオモテから見た感じ、コマ同士がピッタリしっかりした状態で復活しました。
これですよコレ。やっぱりガッチリついてるのがカッコイイ。
ダボダボのずれた服着てる人が「だらしなく」見えるのと一緒で、腕時計だってキッチリしているほうがいい。
腕時計見られただけで「なんか、だらしない人……?」なんて思われたら損ですよね。
ベルトをウラから見たときの写真です。
分かりにくいですが、コマの中央部を溶接してます。
当然、工具で叩いて「カシメる」よりずっとしっかり付きます。
溶接跡も最小限。見た目がスマートで美しいですね。
腕に着けてしまえば裏の部分は見えません。表だけなら溶接跡は分からないと思います。
さすがは職人。今回も良い仕事をしていただきました。
実はすでに何本も似たような修理がありました。いずれも大変喜んでいただけました。
今でもタグホイヤーのセルシリーズは人気のようでして、群馬県太田市や伊勢崎市の方からもよく時計修理でご来店されます。
お話を聞くと「近所のお店で断られてネットで修理できるお店を探してた」というお声が多かったですね。
修理にかかる日数 気になる修理料金は……
修理は約10日~2週間みていただければ大丈夫です。
修理料金は¥15,000+税です。
ベルト修理のほかに時計本体の修理も可能です。タグホイヤーの電池交換やオーバーホールもできます。
詳しくは店頭にてご説明いたします。
群馬県桐生市の(株)福田時計店 店舗へのアクセスや定休日、営業時間のご案内
お店が遠い方は24時間受付可能の「お問い合わせ」が便利です。ぜひご相談くださいませ。
ベルト修理のついでに、「まだ動いているけれど念のため」ということで電池交換修理もしました。
このタグホイヤーはF1レーサー「セナ」モデルでしょうか。
他のお客様の時計修理をしていたためお渡し時に直接お話できませんでしたが、大変喜んでもらえたようです。
遠いところから桐生市の当店までありがとうございました。
オメガ腕時計のベルトだって直る あきらめる前に修理のご検討を
オメガのベルト修理例のご紹介です。
腕に着けるときパチンと固定する中留め(バックル)部分が切れてしまってます。
途中で切れてしまってます。黒く汚れてる部分がちょっと悲しく見えてきます。
もうベルトまるごと交換しかないのか、でも一式交換だと値段が高そう。もったいないけど処分……?
いえいえ簡単にあきらめてはいけません。修理できます。
ベルトまるごと交換よりリーズナブルに バッチリ修理完了
いつもお世話になっている職人の手により修理完了。
修理跡もできるだけ残らないように配慮してもらってます。
壊れた部分を修理する。言葉にすれば当たり前に聞こえるが、常に実行しようとすると意外と難しい。
金属バンド丸ごと交換も有効な修理の一つであり否定できません。しかし、部分修理で直せる部分は何とかしたいと思っております。
これからも修理例をドンドン紹介していって、みなさまに知っていただけるよう頑張りますね。
今回のオメガ ベルト溶接修理 税別¥15,000
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